「屋根による向き不向きってあるの?」。太陽光発電システムの導入を検討されている方には、こんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。ここでは、屋根の「形」「素材」にはどんなものがあるのかをご紹介しながら、それぞれの太陽光発電システムとの相性について解説していきます。

主要な屋根の形と太陽光発電システム

まずは、現在一般的な住宅に用いられている6つの屋根の形と太陽光発電システムとの相性についてご紹介していきます。

切妻屋根

2枚の長方形(もしくは正方形)で構成され、側面に「への字」状に断面があらわれる屋根。家をシンプルに描いたときの「三角屋根」をイメージするとわかりやすいでしょう。丈夫で雨漏りが少なく、定期メンテナンスも安価で済むというメリットがあります。
屋根面が南北であれば南側の日照条件としては理想ですが、2面設置が出来る東西の屋根面の場合、載せられるパネルの枚数が増え、発電量が多くなる場合もあります。
屋根面も四角形が基本となるため、ご自宅の屋根に合った太陽電池モジュールを選ぶと良いでしょう。


片流れ屋根

「切妻屋根」の片面だけを家にかぶせたような形の、1枚の長方形(もしくは正方形)で構成された屋根。シンプルな構造のため、施工コストが低く、雨漏りの心配もほとんどありません。ただし、1つの雨どいに雨水が集中するため、雨どいなどの排水箇所は詰りがないか定期的にチェックが必要です。
他の屋根の種類に比べ、屋根面積が広く、太陽電池モジュールを多く積載することが可能なので、南向き屋根の場合導入に最も向いています。ZEHやスマートハウスなど、太陽光発電の導入を前提にした家などはすべからくこの形を採用しています。


寄棟屋根&方形屋根

台形と三角形を2枚ずつ「寄」せて構成する屋根が寄棟屋根。
同じ形の三角形4枚で構成された、ピラミッドのような形が方形屋根。
いずれも面と面が合わさる箇所(棟)が多く、棟部分の施工やメンテナンスにコストがかかるデメリットがあります。
屋根面が4方向に分かれるため、日の光が当たりづらい北面はどの面になるのか、屋根の方角を確認しておくことが重要になります。一面あたりの面積が比較的小さくなりますが、より効率的に屋根全体に設置する方法として、三角形の太陽電池モジュールを組み合わせ活用することで、発電量を最大化することが可能です。


陸屋根

1枚の面で構成された、屋上がある水平な屋根、平屋根とも呼びます。棟もなく防水シートや塗膜防水がしっかりとされているなど一見雨漏りのリスクが低そうですが、実際は逆。傾斜がなく雨水がたまりやすいため、屋根面の傷や損傷部からの雨漏りリスクが非常に高いというデメリットがあります。
太陽光発電の施工においては、万全を期した防水処理が必須となり、強風に耐えられる架台を選定しなければなりません。取り付ける機器の荷重に耐えられるか等、場合によっては施工が難しい屋根もあります。
一方で、前述の「屋根面の方位」という概念がないため、太陽電池モジュールの架台によっては南向きに設置することが可能です。最近では切妻屋根のような形の架台も発売されています。また傾斜屋根に比べて太陽電池モジュールなどのメンテナンスも容易なことも特長です。


無落雪屋根(スノーダクト)

その名のとおり、家の外側に雪が落ちる現象(雪庇)が起きにくい屋根。一見「陸屋根」のようですが、角度の浅い「切妻屋根」を逆さにした構造で、家屋の熱で溶けた雪は自然に屋根中央のダクトに流れ込み排出されます。溶けた雪がうまく排出されないと雨漏りが発生するため、定期的なメンテナンスが必要です。


太陽光パネルの設置方角と発電量の関係

太陽光発電システムの発電量に大きく影響する屋根面の方角。発電効率の目安として、南面を100%とすると東西面では約85%まで低下します。この発電効率の違いを考慮して、最も発電が期待できる南面にいかに多くの太陽光発電モジュールを設置するかが多くの発電量を確保するためのポイントです。

屋根の方位と発電量

また、形状、方角、勾配(角度)ごとの発電量の違いを表にまとめたのでご覧ください。

=設置オススメ度(五段階評価)

形/方角 西 備考
切妻屋根:南北 ★★★★ - - ☆☆☆☆ 設置できるパネルの数も容量も変わる。東西の方角のが発電量が多い場合もあり。
切妻屋根:東西 - ★★★☆☆ ★★★☆☆ -
寄棟屋根 ★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ☆☆☆☆
片流れ屋根 ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆ 片流れの南向きが太陽光発電システムにとっては最も理想です。
方形屋根 ★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ☆☆☆☆
陸屋根 ★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ☆☆☆☆
無落雪屋根(スノーダクト) ★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ☆☆☆☆

主要な屋根材と太陽光発電システム

続いて、屋根材の種類をご紹介。素材によっては、設置が難しいものもあるので注意が必要です。

屋根材別太陽光パネル設置の可否

屋根材 設置可否 条件・理由
プレスセメント瓦 劣化が激しい場合は不可
住宅用平型スレート スリットがあるものは不可
住宅用波型スレート 不可 金属を固定できないため
シングル材 スリットがあるものは不可
金属横葺き
金属縦葺き
金属心木なし瓦棒
金属心木あり瓦棒
金属折板 素材により一部不可
銅板葺き 不可 架台と屋根の接触部が腐食しやすいためほとんどのメーカーで不可
波板葺き 不可 設置強度不足のため
草木系素材 不可 金属を固定できないため
重ね葺き 不可 金属を固定できないため

まとめ

このように、屋根の種類によっても太陽光発電システムの効果は大きく変わってきます。また、考慮すべき条件は「形」「素材」だけではありません。ご自身での判断に少しでも不安のある方は、迷わずプロにご相談ください。