電力会社からの給電に頼らずに自家発電ができる太陽光発電システム。このシステムを使えば、災害・停電時の非常用電源として活用することが可能です。ここでは、もしもの備えとして太陽光発電システムを活かすポイントを紹介していきます。

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停電時の太陽光発電システムの使い方

突然の災害で長期間停電になった場合、太陽光発電システムでどのような操作を行えばよいのでしょうか。停電時には、太陽光発電システムで生み出した電気を使うための回路も遮断されてしまうため、通常の連系運転ができません。そんな時でも太陽電池モジュール、周辺機器、分電盤に破損がなければ発電は可能。カラーモニタやパワーコンディショナを操作して手動で自立運転に切り替えれば、非常用コンセントから最大1500Wの電力を利用することができます
機器が作動せず、故障が疑われる場合には、電線やパネルに触れたり、屋根に上ったりすることは控えて、まずは販売店に問い合わせましょう。


※家の既設コンセントからは使えません。専用コンセントでの使用となります。各メーカー・機種により、操作方法が異なりますので、設置されているお客様は取扱説明書をご確認ください。

太陽光発電システムだけでどれだけの電力をカバーできるの?

それでは太陽光発電システムによって、どのような電化製品が使えるのでしょうか。下記動画は薄曇りの条件下で、太陽光発電システムの非常用コンセントと電化製品を接続させる実験を行ったものです。0.16kW(非常時最大利用可能電力量の約1/10)の発電量にもかかわらずテレビ、ラジオ、扇風機、携帯電話の充電など複数電気機器の同時使用ができました。

【動画】停電時どれくらい役にたつ?機器接続実験をしてみました

【利用上のご注意】
1500Wが上限です。接続する電気機器の容量(消費電力量)にご注意ください。
・雨天・曇天時には小容量の(消費電力の少ない)電気機器しか使えない場合があります。予めどの機器を使用するか決めておきましょう。
・日照変動には注意してください。
・夜間は使用できません。
・パソコンなどの情報機器およびその周辺機器、その他電源が切れると生命や財産に損害を受ける恐れのある機器などはご使用にならないでください。

 

太陽光発電×蓄電池の組み合わせで備えは万全

停電時に太陽光発電システムが非常用電源として活躍することが分かりました。しかし、そんな太陽光発電システムにも弱点があります。それは、太陽が沈む夜間は発電できないという点。昼間は太陽光発電システムによる電気が使えても、灯りが欲しい夜間には電気が使えない……なんてことも起こり得ます。そんな太陽光発電システムの弱点を克服するのが蓄電池です。
停電時、蓄電池に貯めた電気を使う際、予め使いたい回路を選ぶ必要がある「特定負荷タイプ」と、家中すべての回路で電気を利用できる「全負荷タイプ」とがあります。「全負荷タイプ」は高額なものが多いのが特徴です。
また昼間に発電した電気を蓄電池に蓄えることで、夜間にも電気を使用することが可能。製品や条件によりますが、テレビや照明を使いながら、3日間継続して冷蔵庫を使うことができたといった試算もあります。消費してしまった分の電力は、太陽光発電システムによって充電すれば、再度使用することができるので安心です。

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停電時に蓄電池を使いこなすための注意点

停電時に大活躍する蓄電池ですが、注意点もあります。それは電気を貯められる量には上限があるということ。製品によって電気を貯められる量は異なり、中にはポータブル式や小型の製品など蓄電容量が少ないものもあります。そのため、日頃から容量を把握した上で、非常時に備えて充電しておくことが重要です。蓄電池には、「放電開始時間」「残量」などを設定できるタイプもあるので、これらの機能を使いながら、蓄電池生活に慣れていくとよいでしょう。

普段、使える電気の上限を意識する機会は少ないかと思いますが、容量を考えながら電気を使うことで節電意識が高まります。

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停電から復旧までどのくらいかかるのか?

災害時のライフラインの復旧スピードも考慮しなければなりません。
水道、ガス、電気に通信と今では様々なライフラインがありますが、電気の復旧は比較的早い傾向があります。
その理由として、電気の場合は地上の電線を復旧するのに対し、ガスや水道の場合は地面に埋まった配管を復旧しなければならないケースがあり、大掛かりな重機が必要になるなど工事に時間がかかることが挙げられます。
実際に東日本大震災の際、電気は1週間程度で復旧しましたが、ガスは5週間程度かかりました。

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まとめ

日本は災害大国。「もしもの時にも電気が使える」という備えがあれば、日々の暮らしも安心できますよね。蓄電池について気になることや分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。