V2H(Vehicle to Home)があれば愛車を「走る蓄電池」として活用でき、電気代の削減や災害時の非常用電源として役立ちます。 しかし、すべての電気自動車がV2Hに対応しているわけではありません。車種やメーカーによって対応状況が異なるため、購入前の確認が必須です。

そこで今回は、知っておくべきV2H対応車種をメーカー別に徹底解説します。

国産の主要なEV・PHEVはほぼ対応していますが、車種やV2H機器との相性には注意が必要です。 この記事を参考にして、あなたのライフスタイルにぴったりの一台を見つけましょう!

電気代も防災も!V2Hの基礎知識と導入メリット

V2Hとは「Vehicle to Home(ビークル・トゥ・ホーム)」の略称です。 一言で表すと、「車のバッテリーに貯めた電気を自宅に戻して使えるようにするシステム」のこと。

これまでの充電設備は「家から車」への一方通行でしたが、V2H機器(充放電設備)を通すことで、車と家で電気を「双方向」に行き来させることができるようになります。

最大の特徴は、家の分電盤に直接電気を送れること。「全負荷」タイプなら家中のすべてのコンセントが使えますし、「特定負荷」タイプならリビングや冷蔵庫など、あらかじめ決めた場所だけで電気を使う仕組みになっています。

V2Hを導入する3つのメリット

単なる充電器にはない3つの大きなメリットを見ていきましょう。

1. 電気代の節約・自給自足ができる
電気代が安い深夜に車へ充電し、その電気を電気代が高い昼間に家庭で使うことで、差額分がお得になります。 さらに太陽光発電と組み合わせれば、昼間に発電した無料の電気を車に貯めて夜に使う「エネルギーの自給自足」も可能です。

2. 充電スピードが最大2倍速い
一般的な家庭用普通充電(200V/3kW)に比べ、V2H機器(6kW対応の場合)を使うと約2倍のスピードで充電が可能です。 「明日、遠出したいのに充電が間に合わない!」といったストレスから解放され、家事の合間や短時間の帰宅でも効率よく充電できます。

3. 停電時のバックアップ電源になる(防災)
台風や地震で停電しても、車の電気を家中に送れます。 一般的な家庭用定置型蓄電池(5〜10kWh程度)に比べ、EVのバッテリーは大容量(40〜60kWh以上が多い)なため、数日分の電気をまかなえる安心感があります。「もしも」の時、エアコンや冷蔵庫が普段通り使えるのは大きな強みです。

国内メーカーのV2H対応車種

日本国内メーカーのEV・PHEVは、V2Hに対応しているモデルが非常に充実しています。ここでは主要メーカーごとの代表的な車種をご紹介します。

※2025年12月時点の情報です。グレードやV2H機器の機種により対応が異なる場合があります。

メーカー代表的な対応車種特徴
日産・リーフ
・サクラ
・アリア
・e-NV200 / クリッパーEV
対応車種が最も豊富です。軽自動車「サクラ」から本格SUV「アリア」まで、ライフスタイルに合わせて選べます。
トヨタ・プリウス PHEV
・bZ4X
・アルファード / ヴェルファイア PHEV
・クラウン(SPORT RS / エステート RS)
・MIRAI / クラウンセダン(FCEV)※
PHEVのラインナップが拡大中。
※FCEV(MIRAI等)は特定のV2H機器でのみ、停電時の給電機能として使える場合があります。
レクサス・レクサス RZ450e / RZ300e
・レクサス UX300e
・レクサス NX450h+ / RX450h+
トヨタと同様にV2H対応が進んでいます。EVモデルだけでなく、PHEVモデルも対応車種が増えています。
三菱・アウトランダーPHEV
・エクリプスクロス PHEV
・eKクロス EV / ミニキャブ EV
PHEVはガソリンでの発電も可能なため、長期停電時の安心感は最強クラスです。「eKクロスEV」はサクラの兄弟車です。
マツダ・MX-30 EV / Rotary-EV
・CX-60 PHEV
・CX-80 PHEV
おしゃれなデザインが特徴。Rotary-EVモデルは発電機としてロータリーエンジンを搭載しています。
ホンダ・N-VAN e:
・Honda e(※生産終了)
「N-VAN e:」は2024年登場の商用軽EV。広い荷室と給電機能で、仕事やキャンプ、防災に活躍します。
SUBARU・ソルテラトヨタ「bZ4X」の兄弟車です。スバルならではの高い走破性とV2H機能を両立しています。

海外メーカーのV2H対応車種

「輸入車はV2Hができない」というのは過去の話。特に日本市場向けに「CHAdeMO(チャデモ)」規格を採用しているメーカーは、V2H対応が進んでいます。

※海外メーカー車は、接続可能なV2H機器が限られる(オムロン製マルチV2Xシステムなど)場合があるため、事前の確認が重要です。

メーカー代表的な対応車種特徴
BYD・ATTO 3(アット3)
・DOLPHIN(ドルフィン)
・SEALION 7(シーライオン7)
コストパフォーマンスの高さで注目されるメーカー。日本導入モデルはCHAdeMO対応が進んでおり、V2Hとの相性も良好です。
ヒョンデ
(Hyundai)
・IONIQ 5(アイオニック5)
・KONA(コナ)
・INSTER(インスター)
デザインと性能で高評価。「IONIQ 5」などはV2L(コンセント給電)とV2Hの両方に対応しているモデルが多いです。
メルセデス
ベンツ
・EQS / EQS SUV
・EQE / EQE SUV
・EQA / EQB
高級EVラインナップ「EQシリーズ」の多くが対応しており、ラグジュアリーと防災性能を両立できます。
MINI・MINI COOPER E / SE
・MINI ACEMAN E / SE
オムロン製「マルチV2Xシステム」などで対応が発表されています。

注意点:テスラ(Tesla)について
テスラは基本的には独自の充電規格を採用しているため、2025年現在、純正の状態では日本の一般的なV2H機器には対応していないケースがほとんどです。

V2H対応車種を選ぶ際の3つのポイント

「対応リストに載っていればどれでも同じ」ではありません。後悔しないためにチェックすべき3つのポイントをお伝えします。

1. バッテリー容量(kWh)をチェック

バッテリー容量は「停電時に何日間、電気を使えるか」に直結します。

  • 20kWh前後(サクラ、eKクロスEVなど): 一般家庭の約1.5日〜2日分。普段使いメインの方に。
  • 40〜60kWh(リーフ、bZ4X、ATTO 3など): 約3〜4日分。バランスの良い選択肢。
  • 60kWh以上((アリア等のEV): 4日以上。二世帯住宅や、徹底して災害に備えたい方に。

2. 給電方式・規格

日本でV2Hを導入するには、車の充電口が「急速充電規格(CHAdeMO)」に対応している必要があります。 ほとんどの国産EVは問題ありませんが、輸入車の一部は規格が異なる(Type2/CCSなど)場合があるため注意が必要です。カタログ等で「V2H対応(または外部給電対応)」の記載を必ず確認しましょう。

3. メンテナンス性と保証

「V2Hで充放電を繰り返すと、バッテリーが劣化するのでは?」と心配される方も多いです。そこで重要になるのが、メーカーの保証体制です。

  • バッテリー保証期間: 多くのメーカーが「8年または走行距離16万km」といった長期保証をつけています。
  • V2H利用時の規定: 車種によっては、V2Hの利用頻度が高いと保証条件が変わるケースもゼロではありません。

長く安心して使うためにも、保証内容が手厚いメーカーや、メンテナンス体制がしっかりしたディーラーから購入することをおすすめします。

V2Hシステムの導入費用と補助金情報【2026年版】

車が決まったら、次はV2H機器の導入費用です。V2Hは決して安い買い物ではありませんが、仕組みを理解して補助金をフル活用すれば、実質負担を劇的に減らすことができます。

1. 導入にかかる費用の内訳

V2Hを導入するには、「機器本体価格」と「工事費用」がかかります。

項目費用の目安詳細
V2H機器本体90万円〜160万円スタンダードモデル(特定負荷):
停電時に「特定の部屋(回路)」だけ電気が使えるタイプ。比較的安価。
プレミアムモデル(全負荷):
停電時に「家中のコンセント」が使えるタイプ。200V家電(エアコン・IH)も使えるが高価。
工事費用30万円〜50万円基礎工事、配線工事、電力申請費など。
※設置場所が分電盤から遠い場合や、配線を地中に埋める場合などは追加費用がかかります。
合計約130万円〜200万円※補助金活用前の目安

2. 補助金は三段階で狙える!

V2Hの補助金は、国・都道府県・市区町村の3箇所から出ている場合があり、条件によっては「併用(重ね取り)」が可能です。

  1. 国の補助金(CEV補助金など)経済産業省による補助金です。2025年度(令和7年度)の実績としては、機器購入費と工事費をあわせて最大65万円規模の補助が行われました。例年、新年度(4月以降)に新しい公募が始まる傾向にあります。
  2. 都道府県の補助金例えば東京都では、国の補助金と併用可能な独自の制度があり、V2H導入費用の1/2(上限50万円)、太陽光発電とセットなどの条件で最大100万円という非常に手厚い補助が出ることがあります。
  3. 市区町村の補助金お住まいの市や区によっては、さらに数万円〜10万円程度の補助が出るケースがあります。

【シミュレーション例:東京都の戸建てにお住まいの場合】

(※※あくまで過去の実績に基づく一例です。年度や予算状況により変動します)

  • 導入総額:180万円
  • 国の補助金:▲65万円
  • 都の補助金:▲50万円
  • 実質負担額:65万円

3. 絶対に知っておくべき「申請の注意点」

補助金をスムーズに受け取るためには、いくつか大切なポイントがあります。せっかくの制度を無駄にしないよう、事前にチェックしておきましょう。

  1. 「工事契約の前」に申請が必要。ほとんどの補助金は、着工前(場合によっては契約前)の申請が必須です。「工事が終わってから申請」はできない場合があります。
  2. 予算上限による「早期終了」。補助金には予算があり、先着順です。人気の補助金は受付開始から数ヶ月で終了することもあります。
  3. 5年間の保有義務補助金を使って導入した機器は、原則として4〜5年間は処分や売却ができません。

「我が家の地域ではいくらもらえるの?」「まだ間に合う?」といった最新情報は、私たち専門業者が把握していますので、お気軽にお尋ねください。

まとめ

今回は2026年最新版のV2H対応車種について解説しました。

  • 国内メーカー(日産、トヨタ、三菱など)は対応車種が非常に豊富。
  • 海外メーカー(BYD、ヒョンデ、ベンツ、MINI)も続々と対応が進んでいる。
  • 車種選びは「バッテリー容量」と「V2H機器との相性」を確認すること。
  • 費用は安くないが、国や自治体の補助金を活用すればお得に導入可能。

V2Hのある暮らしは、単に便利なだけでなく、「エネルギーを自給自足し、災害から家族を守る家」を実現することでもあります。

「自分の欲しい車と、家の条件に合うV2H機器を知りたい」

「補助金がいくらもらえるのか、正確な金額を計算してほしい」

そんなときは、ぜひ省エネドットコムへご相談ください。 私たちは太陽光・蓄電池・V2Hのプロフェッショナルとして、お客様に最適なプランをご提案します。他社様のお見積りチェックも無料で行っておりますので、「損をしたくない」という方はまずはお気軽にお問い合わせください。