「電気自動車は高いイメージがある」「維持費は本当にお得なのだろうか?」
環境に優しい電気自動車ですが、お金に関する疑問は尽きません。
この記事では、電気自動車の気になる「コスパ」について、ガソリン車と比較しながら解説します。電気自動車とガソリン車の初期費用・ランニングコスト・補助金を徹底比較し、さらに数字だけでは見えない魅力やメリットもご説明します。読めば、あなたにとって電気自動車が本当にお買い得なのか、具体的な判断材料が見つかるはずです。
電気自動車は、よく車を使う人や太陽光発電を使用している人、災害に備えたいご家庭にとって、とてもお得な選び方です。移動手段だけではなく、家の電気をかしこく使うための助けにもなるでしょう。
電気自動車(EV)とは?基本の仕組みを解説
電気自動車(EV)とは、内燃機関(エンジン)の代わりに電気モーターを動力源として走行する車両です。電気自動車には以下のような特徴があります。
- 電動走行(ガソリンを使わず電気で動く)
- バッテリー駆動(車載バッテリーに蓄えた電力を利用)
- ゼロエミッション(走行中にCO₂を排出しない)
- 静かな乗り心地(エンジン音がなく快適)
- 簡単な構造(オイル交換などが不要)
- 充電が身近に(家庭や街中での充電が可能)
「もっと仕組みを知りたい」「EVの種類ってどんなものがあるの?」そんな方は以下の記事もチェックしてみてください! 関連記事:【徹底解説】V2Hとは?メリットや仕組み、価格や性能比較までまるごと紹介!
電気自動車の価格は低下傾向:より身近になる可能性も

「電気自動車は高い」というイメージが変わりつつあります。実際に一部の車種では価格が見直され、より購入しやすくなっています。
この主な理由は、車両価格の多くを占めるバッテリーのコストが下がっているためです。米ブルームバーグ社の調査報告によると、リチウムイオンバッテリーパックの世界平均価格は1kWhあたり115米ドルと、前年から20%も大幅に低下しました。(出典:調査会社ブルームバーグNEF(BNEF)の2024年の報告)
バッテリーは技術革新や量産効果などにより今後も価格は下がり続け、2026年には電気自動車の製造コストがガソリン車と同等レベルになると予測されています。
将来的には次世代バッテリー技術の進化も期待されており、より高性能で低価格な電気自動車が増えるでしょう。
価格が下がれば普及が加速し、量産効果で一層のコストダウンも期待できます。電気自動車は、今後ますます現実的な選択肢として身近な存在になっていくと考えられます。
初期費用を比較!電気自動車 vs ガソリン車
購入時にかかる初期費用について、具体例として電気自動車の代表格である「日産リーフ」と、同じ日産が販売するコンパクトなガソリン車「日産ノート」を比較してみましょう。
区分 | 電気自動車(日産リーフ) | ガソリン車(日産ノート) |
---|---|---|
車両価格 (目安)※ | 約410万円 | 約230万円 |
補助制度 | 最大90万円(国・CEV補助金) +自治体加算※1 | 原則なし |
充電設備 | 本体 +工事費 約10〜20万円(普通充電器) | 不要 |
※2025年6月時点 ※1自治体によってはZEV補助金などが上乗せされ、東京都の場合は車種により最大100万円まで加算されます。
電気自動車の導入時には補助制度を最大限活用することがポイントです。条件が合えば、ガソリン車とそれほど変わらない費用感で導入できる可能性も十分あります。
ランニングコスト比較!電気自動車 vs ガソリン車
車は買って終わりではありません。毎日の移動にかかる燃料費や、定期的なメンテナンス費用、税金などの“維持費”こそ、長い目で見ると家計に大きな影響を与えます。電気自動車とガソリン車のランニングコストを比べて、どちらがどれだけお得なのかを見ていきましょう。
電気自動車 | ガソリン車 | |
燃料費※ | 約 1.5 円/km(深夜電力契約の場合はさらに低減) | 約 10〜15 円/km(レギュラー 170 円/L 前後換算) |
メンテナンスコスト | オイル交換不要/消耗部品少なく 年間 2〜4 万円程度 | エンジンオイル・ATF・プラグ等が必要で 年間 5〜8 万円程度 |
税・保険料 | 自動車重量税免除・自動車税減税あり/任意保険はガソリン車と同水準。目安として年間1.5万円程度 | 重量税・自動車税とも通常課税/任意保険は排気量などに応じて設定。目安として年間3万円程度 |
合計 | 60,000円/年※1 + 税・保険料 | 220,000円/年※1 + 税・保険料 |
※2025年6月時点 ※1年間走行距離10,000kmと仮定した場合の目安です 燃料代と定期整備費を合わせると、年間コストは EV がガソリン車より約15万円強も安くなることが分かります。さらに EV は走行中に排気ガスを出さず静粛性に優れるうえ、V2H 機能を利用すれば停電時の家庭用予備電源としても役立ったりと、+αの価値・効果も加わります。
コストだけでなく環境性能と防災面のメリットまで考えると、価格以上の価値があると言えるでしょう。
補助金を活用すれば、さらにお得!

国の補助金:最大90万円支給(2025年度) 電気自動車を購入する際、国の「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」を利用すれば、最大90万円が支給されます。
東京都の補助金:最大100万円まで加算 東京都では、ZEV補助金として、メーカー別の基本補助(最大60万円)に加え、以下の条件を満たすことで合計最大100万円の補助が可能です。
- 再生可能エネルギーの導入
- V2H機能付き車両の購入
- 充放電設備や充電器の設置
補助金をフル活用すれば、電気自動車の購入費が大幅に軽減されます。なお、自治体によっては充電設備に対する補助も用意されているため、購入前には必ず地域の制度をチェックしておきましょう。
電気自動車がもたらす新しい価値

電気自動車には、コストだけでは語れない「価値」もあります。実は、暮らしの電源としても活用できることをご存じでしょうか。ポイントは V2H(Vehicle to Home) という仕組みです。これは、電気自動車にたまった電気を家庭に送ることができる機能です。
- 停電のときに冷蔵庫や照明、スマホの充電に使える
- アウトドアでは電気ケトルや調理器を車から給電できる
- 電気代の高い時間帯を避けて、EVの電気を家庭で使うことも可能
さらに注目したいのが、太陽光発電との組み合わせです。昼間に発電した電気をEVにためておけば、夜にその電気を家庭で使うことができます。
つまり、EVは走る蓄電池。日常も、災害時も、暮らしを支える頼もしい存在になってくれます。
【まとめ】どんな人にとって電気自動車は「コスパがいい」のか?
この記事では、電気自動車のコストパフォーマンスについて様々な角度から見てきました。
以下のような方に、電気自動車はコスパが良くおすすめです。
- 年間走行距離が多い方: 走るほど燃料費の節約効果を実感できます。
- 太陽光発電を導入しているご家庭: 自家発電の電気で充電コストを大幅に削減できます。
- 災害への備えを重視するご家庭: 停電時の非常用電源として大きな安心材料になります。
維持費、補助金、そして環境への配慮や非常用電源としての付加価値まで総合的に考えると、電気自動車は将来を見据えた“賢い投資”と言えるでしょう。
この記事が、あなたの電気自動車選びの一助となれば幸いです。 もし、「自分の場合はどうだろう?」「もっと詳しく知りたい」と感じたら、いつでも私たち省エネドットコムにお気軽にご相談ください。専門スタッフが、あなたに最適なプランをご提案します。