家づくりを考えはじめると、間取りやデザインだけでなく、これから何十年と続く光熱費やエネルギーの備えも気になってきます。そんなときに頼れる選択肢が太陽光発電システムです。

とはいえ「いつ設置するのがベストなのか」「後からでも間に合うのでは」と迷ってしまう方も少なくありません。本記事では、新築時に太陽光発電を導入することで得られるメリットを、設計・費用・節約・施工の4つの視点からわかりやすく整理しました。

太陽光発電は「新築時に導入」することで、よりスムーズに、よりお得に始められます。この記事を読んで、ご自身の暮らしに合った最適な導入タイミングを見つけましょう!

太陽光発電システムとは

太陽光発電システムとは、住宅の屋根に設置した太陽光発電パネルで太陽の光を受け取り、電気をつくり出す設備のことです。家庭内で使用する電力を自家発電でまかなうことができ、余った電気は売ることもできます。

関連記事:いつまで続く!?電気代高騰…今こそ「太陽光発電」や「オール電化」の導入を!

主なメリット

  • 日中の電力を自給できる:電気代の節約につながります。
  • 余剰電力の売電が可能:家庭で使いきれない電気は電力会社へ売ることができます。
  • 災害時の備えにもなる:停電時でも太陽が出ていれば一部の電力を確保できます。

関連記事: そもそも太陽光発電って?時代背景、 仕組み、メリットで太陽光発電を理解する

太陽光発電は既存の住宅にも後付けで導入できますが、新築のタイミングで設置すると、後から設置するよりも多くのメリットが得られます。

新築時に太陽光発電を導入すべき4つの理由

新築計画の早い段階で太陽光発電を取り入れることは、家計にも暮らしにも最大のメリットになります。家づくりの初期に組み込んでおけば、太陽光パネルの設置に適した屋根の形状を選ぶことができ、より多くの太陽光パネルを設置できます。

① 設計段階からベストな配置と構造にできる

新築時であれば、屋根の向きや角度を太陽光発電に最適な形で設計できます。太陽光を効率よく取り込むための工夫を、設計の初期段階から取り入れることが可能です。

パネル設置に必要な構造の調整や、配線のルートも建築工事と同時に行えるため、外観の美しさも保ちやすくなります。

② 住宅ローンに組み込めるため、初期費用を抑えられる

住宅ローンは金利が非常に低く、返済期間も長めに設定できるのが特長。たとえば、ソーラーローンの金利が年2%前後なのに対して、住宅ローンの金利は変動タイプで0.5%台、固定でも1%前後が相場です。返済期間も15年ではなく、35年まで選べるので、月々の返済額も抑えやすくなります
※2025年7月時点

太陽光発電は「環境にいい」だけでなく、「お財布にもやさしい」選択にできます。住宅ローンと一緒なら、月々の負担も軽くなるので安心です。

比較項目ソーラーローン住宅ローン
金利高め(おおよそ2%前後)低め(変動なら0.5%前後、固定でも2%未満)
返済期間短め(10〜15年が一般的)長期(最長35年など)
月々の返済額返済期間が短いため高くなりやすい返済期間が長いため月々の支払いは抑えられる

③ 入居後から電気代を節約できる

太陽光発電を新築時に導入しておけば、入居後から電気代の節約効果を実感できます。

  • 日中の電力を太陽光発電でまかない、電気代をカット
  • 余った電力は売電して収入に

こうした仕組みが整っていれば、家計の見通しも立てやすく、安心感のある暮らしにつながります。
※各種電力申請が受理されている必要があります。通常、申請から受理まで1~3ヶ月程度。

④ 工事の手間が少なく、追加費用も抑えられる

後から設置する場合、足場の設置や外壁・屋根の加工が必要となり、余計な費用や工期がかさむケースも少なくありません。とくに屋根や外壁に穴を開ける工事は、ハウスメーカーの住宅保証が適用外となる可能性があります。

新築時にあらかじめ計画しておけば、構造体への干渉がなく、配線・配管工事も建築工程と同時に行えるため、スムーズに作業が行え、結果としてトータルコストと手間を大幅に抑えられます。

注意:外壁や屋根に穴を開けることで保証対象外となるケースがあるため、事前にハウスメーカーへ確認してください。

新築時に太陽光発電を導入する際の注意点

一方で、新築時に太陽光発電を導入する際には以下の点も注意する必要があります。

①住宅ローン審査への影響

太陽光発電の費用を住宅ローンに組み込むことで、総借入額が増加します。その結果、ローン審査に通りづらくなる可能性があります。借入枠を優先したい場合、既築(入居後)のタイミングで太陽光発電を設置する方も少なくありません。

②屋根一体型太陽光発電のメンテナンス面

新築で導入する際にハウスメーカーから屋根と一体型になっている太陽光発電を勧められることがあります。ただ、この屋根一体型の太陽光発電を選ぶ場合は美観に優れる一方、メーカーによっては太陽光パネル単位での取り外しが難しいケースがあり、メンテナンス時の手間や費用がかさむことがあります。特に、雨漏りや屋根の補修が必要になった際には大掛かりな工事になることがあります。
一方で通常の架台を組む設置方法の場合は、屋根と太陽光パネルが別々なのでメンテナンス面で優れています。また、屋根が実質的に二重構造となるので、夏場の遮熱効果や冬場の断熱効果が期待できます。またこれにより冷暖房効率が向上することで、さらに光熱費を削減できる可能性があります。

③ハウスメーカー側の制約

一部のハウスメーカーでは、独自の保証制度や設計の都合上、太陽光発電の設置を避ける場合があります。事前にハウスメーカーと十分に協議することが重要です。

東京都では新築住宅への太陽光パネル設置が義務化へ

2025年4月以降、東京都では延べ床面積が2,000㎡未満の新築戸建住宅などを含む一定の新築建築物に対して、太陽光パネルの設置が義務化されました【東京都環境局「建築物環境計画書制度(改正)」2023年】

こうした動きから、国や自治体が再生可能エネルギーの導入を本格的に推進していることが分かります。

制度の対象となる場合はもちろん、それ以外でも国や自治体の補助金・税制優遇などの支援制度を活用しながら、賢く導入を進めることが重要です。

太陽光発電と相性の良い「オール電化」もおすすめ

太陽光発電を検討している方には、「オール電化住宅」もおすすめです。オール電化とは、調理や給湯など、家庭内のすべてのエネルギーを電気でまかなう暮らしのことです。

  • 太陽光発電でつくった電気を効率よく活用
  • 光熱費の一元化で管理しやすい
  • 災害時の備えとしても有効

オール電化について詳しくはこちら:いつまで続く!?電気代高騰…今こそ「太陽光発電」や「オール電化」の導入を!

太陽光発電の相談先は「専門業者」がおすすめ

太陽光発電は、ハウスメーカーや工務店に頼むこともできますが、専門の業者に相談するのがおすすめです。専門業者なら太陽光パネルの知識が豊富で、いくつものメーカーを比較しながら、住まいにぴったりのシステムを提案してくれます。

さらに、設置工事を自社で行うケースが多いため、ハウスメーカー経由の紹介料や中間マージンが発生せず、コストを抑えて導入できる点も大きな魅力です。

  • 多彩なメーカーラインアップから最適なシステムを選定
  • 自社施工で中間マージンなし、工期もスムーズ
  • 専門知識を生かした設計・申請サポートが充実
  • 設置後のメンテナンスや保証対応もワンストップ

信頼できる専門業者に相談することで、初期費用の削減から長期的な運用サポートまで、安心して太陽光発電を活用できます。

まとめ

新築時に太陽光発電システムを導入することは、設計面・費用面・施工面すべてにおいて大きなメリットがあります。

  1. 屋根の設計や配置を最適化できる
  2. 住宅ローンに組み込めば初期費用を抑えられる
  3. 入居時から電気代の節約が可能
  4. 施工の手間や追加費用を軽減できる

これからの暮らしを安心で快適なものにするためにも、建築計画の初期段階から導入を前向きに検討することをおすすめします。

太陽光発電システムのことなら省エネドットコムへ

太陽光発電の導入を検討する際には、地域の気候や屋根の形状、ライフスタイルに合ったプランを選ぶことが大切です。信頼できる専門業者に相談することで、より安心して設置に踏み切ることができます。新築時の導入も選択肢のひとつとして、じっくり比較検討してみてはいかがでしょうか。

詳しくは省エネドットコムの無料相談窓口へお気軽にお問い合わせください。