電気自動車に蓄えた電気を家庭で使うV2Hシステム。近年、電気自動車の新たな使い方として注目されています。でも、「本当に便利なの?」「どれだけお得になるの?」などといった疑問をお持ちの方もきっといるはず。そこで、今回はV2Hシステム導入者の高橋さんにインタビュー。生活の中にどのようにV2Hシステムを取り入れているか、生活にどんな変化が生まれたか、など気になることを聞きました。

電気自動車を、太陽光発電と組み合わせて活かす

――V2Hシステムを導入するまでのお話を聞かせてください。

はじまりは電気自動車への買い換え。夫婦でゴルフを楽しむのにちょうどいいクルマが欲しかったんですよね。自分たちと友達の分を含めた4つのゴルフバッグが全て入ること、夫婦で通っているゴルフ場までの道のりを電気だけで走れること。この2つの条件に合うクルマを探して三菱のアウトランダーPHVを購入しました。

いずれは自宅にV2Hシステムを設置しようと考えていましたが、最初はとりあえずクルマだけ。というのも、隣に住んでいる息子も、電気自動車の日産リーフに乗っているので、息子の家で充電できましたし、会社の100Vコンセントからも充電が可能だったので今すぐには要らないかな……と思っていました。

しばらくはそんな風に電気自動車生活を送っていましたが、元々太陽光発電を設置していたこともあり、「もっと効率的に電気を使いたい」と考えるようになって、V2Hシステムの導入を本格的に検討することに。三菱のディーラーさんでは販売施工業者は紹介していないとのことだったので、インターネットで調べて、日本エコシステムさんに相談して設置することにしました。

――実際に施工された時の感想を教えてください。

素人目にみても基礎工事や配線など大変な工事だと感じましたが、施工会社の方にはそれらに加えてクルマから家への給電の設定など細かい要望にも応えていただきました。スムーズに使えるように配慮いただいて感謝しています。

家計にも嬉しいV2Hライフ

――どのようにV2Hシステムを生活に取り入れていますか?また、実際にV2Hシステムを使ってみての感想も聞かせてください。

現在は、夜11時~朝7時まで安い深夜電力を使ってクルマに充電。朝7時以降の曇りや雨で太陽光発電が発電しないときは、自動的にクルマから家へと電気を給電しています。夕方も同じく、太陽光発電が発電しなくなる時間帯になるとクルマに蓄えられた電気の残量を家に給電しています。走行するときに使う電気も確保しておきたいので、クルマの電気残量30%を残す設定にしています。

ちなみにアウトランダーPHVは、ガソリンエンジンを併用することで走りながら充電もできるPHV(プラグインハイブリッド車)。「電気残量が少ないな」と思うときでも充電しながら帰ってきて、家に多く給電できるので助かります。

V2Hシステムは、クルマから家への給電がスムーズで使い勝手はいいですね。太陽光発電とV2Hシステムのモニタで、発電量・売電量・蓄電量を毎日見るのが今の楽しみ。「クルマ(PHV)の電気を家庭で使う」という体験が新鮮で、それだけでうれしい気持ちになります。

――電気代やガソリン代などの経済的な変化があれば教えてください。

元々はあまりエアコンを使わない生活を送っていました。でも、年を追うごとに夏が暑くなってきたので健康に良くないと思って最近ではエアコンを使うことにしたんです。電気代が増えるかなと心配しましたが、それほど影響はありませんでしたね。またガソリン代は大幅に減り、給油のペースも1ヶ月に1度から、5か月に1度へ。給油する手間が省けたのは嬉しいですね。

【実績】2018年5月の経済効果

電気使用料金 ¥13,031
売電料金 ¥36,144
ガソリン使用量 V2H設置前 ¥6,500/月
¥5,200ダウン!!
V2H設置後 約¥1,300/月  ※1(¥144/ℓで算出)

※ 2018年5月度の金額
※1 2018年6月時点の実勢価格  省エネドットコム編集部調べ


●発電状況や蓄電状況を確認するご様子

クルマが電池に代わる快適な生活を実感

――高橋さんは太陽光発電システムも導入されていますが、FIT法※2が定める固定買取価格終了後の余った電気の使い方、暮らしについてどのように考えていますか。

10年間の買取期間が終わったら売電単価は下がると聞いていますが、昼間の太陽光発電で余った電気はクルマ(PHV)に充電して、今と同じように「クルマの電気を使用する」生活を続ければ問題ないと考えています。その時にもう一度日本エコシステムさんに相談するつもりです。でも、ほとんど現状維持のため大がかりな切り替え操作も要らないと思っているので、あまり心配はしていません。
ちなみに現時点ではそれほど蓄電池を欲しいとは思っていないんですよ。V2Hシステムと電気自動車(EV)を既に持っていますし、息子の電気自動車(EV)もあるので、停電になった場合も現状の備えで対応できますからね。

※2 FIT法=「固定価格買取制度」のこと。太陽光発電のような再生可能エネルギー(再エネ)で発電した電気を、国が決めた価格で買い取るよう、電力会社に義務づけた制度。

――これからV2Hシステムの導入を検討している方へ一言お願いいたします!

太陽光発電システムとV2Hシステムは相性がいいので、太陽光発電システムを設置されているご家庭には是非おすすめしたいですね。お住まいの環境にフィットしていれば、V2Hシステムも電気自動車もメリットがたくさんあるので是非導入してみてほしいなと思います。今後全国で設置環境が整っていけば、電気自動車もV2Hシステムもどんどん普及していくのではないでしょうか。
私は直感的に「これだ!」と決めてしまう性格なので、太陽光発電も、電気自動車も、V2Hシステムもどんどん導入しました。「クルマの電気を家庭で使う」と思っただけでも導入した価値がありますね。「電気自動車にはこんな使い方もあったんだ、クルマが電池に代わるってすごいな」と思っています。


●三菱V2Hと三菱アウトランダーPHV

まとめ

愛車のアウトランダーPHVで、奥様と趣味のゴルフを楽しむ高橋さん。「V2Hシステムを導入したことで、愛車の新しい可能性を発見できたし、生活も便利でお得なものへと変わりました」と、とても嬉しそうに語ります。V2Hシステムに興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。