「エコキュート」「エコジョーズ」「エネファーム」「エコウィル」……これらは近年普及している代表的な省エネ型製品です。とはいえ、どこかで聞いたことはあるけれど、どんな製品かは詳しくはわからない……という方は多いのではないでしょうか。そこで、このページでこれら4つの省エネ型製品の特長をまとめました。どうぞご覧ください。
2つのタイプに分かれる省エネ型製品
名前が似ている4つの製品ですが、実は大きく2つのタイプに分かれていることをご存じでしたか。1つは、熱の生産・供給に関する性能を高めた給湯器。4つの製品の中では、「エコキュート」と「エコジョーズ」が該当します。もう1つは、熱に加え、電力の生産・供給も担う「コージェネレーションシステム」と呼ばれるもの。4つの製品の中では「エネファーム」と「エコウィル」が該当します。それでは次のブロックからは一つひとつの製品について見ていきましょう。
比較項目 | エネファーム | エコウィル | エコジョーズ | エコキュート |
---|---|---|---|---|
概要 | 家庭用燃料電池コージェネレーションシステム | 家庭用ガスコージェネレーションシステム | 潜熱回収型ガス給湯器 | 家庭用ヒートポンプ式給湯器 |
動力 | ガス(水素) | ガス | ガス | 電気 |
発電能力 | あり | あり | なし | なし |
給湯能力 | あり | あり | あり | あり |
販売価格 | 200~300万円 | 70万円前後 | 25万円前後 | 60万円前後 |
補助金 | あり | あり | あり | あり |
メーカー | 東芝 ENEOS パナソニック |
本田技研工業 長府製作所 ノーリツ ほか |
リンナイ パーパス パロマ ほか |
三菱電機 日立 パナソニック ほか |
「エコキュート」の特長
従来の給湯器は、ガスを使ってお湯を沸かすことが一般的。しかし、「エコキュート」は、電気でお湯を沸かすところに大きな特長があります。ガスを使わないことで二酸化炭素の排出量も削減され、環境への負荷も軽減。また、電気料金が安くなる深夜電力を使用するのでとても経済的です。オール電化と組み合わせれば、光熱費の大幅な削減につながります。
また、災害で断水になった際はタンク内のお湯を非常用水として使うことも可能です。その水量はメーカーによって異なりますが、他の3製品よりも圧倒的に多く、湯温も高いため使用する用途が広がるのが特長です。電気を使った給湯器とは言え、停電時でもお湯を取り出せるので安心です。
ただし、ネックとしては空気の熱を利用するため、気温が下がる冬期は熱効率が下がり、相対的に光熱費がかかりやすくなります。また、沸かしたお湯を給湯タンクに溜める仕組みなので、一度に大量に使用するとお湯切れになるリスクがあります。
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「エコジョーズ」の特長
「エコジョーズ」のポイントは、排気熱を有効活用できること。従来の給湯器では、お湯をつくる際に発生する高温の熱は空気中に放出していましたが、「エコジョーズ」はその排気熱を回収。再びお湯をつくる際に活用しています。そのため、従来の給湯器では80%程度だった給湯時の熱効率を95%程度まで高めることに成功しました。
「エネファーム」の特長
「エネファーム」の特長は、発電能力と給湯能力、それぞれの性能の高さ。タイプによって数値は異なりますが、発電効率は40%程度のものが多く、中には50%を越える製品もあります。太陽光発電の発電効率がおよそ20%だと考えると、「エネファーム」の発電能力の高さがわかります。
発電時に発生した熱は給湯機能に有効活用。余計なエネルギーを消費することはありません。また、水素と酸素から発電する燃料電池の仕組みを活用しているので、二酸化炭素の排出量が少なく、環境に優しいことも魅力です。
しかし、性能が高い反面、初期費用の高さがネックとして挙げられます。
「エコウィル」の特長
給湯も、発電もできるという点で「エネファーム」と近い機能を持つ「エコウィル」。その違いは、導入コストが「エネファーム」よりも低く抑えられる点にあります。また、発電機能がメインで給湯機能がサブだった「エネファーム」とは対照的に、ガスによる給湯機能をメインに置いて発電機能がサブになっていることも特長です。
そのため懸念としては、「お湯を沸かす」「暖房を使用する」といった給湯機能をあまり使わない家庭の場合、期待通りの発電量を得られない可能性があります。
まとめ
それぞれに特長がある、省エネ型の製品たち。「どれが一番いい」という訳ではなく、家庭ごと電力やガスの使用量、オール電化の導入の有無などの条件によって最適なものは様々。メーカーごと性能も異なるので、自分たちの住まいのかたちに最もフィットする製品を探してみてください。