第7回:「環境ビジネス」編集長 村上朋史さん編vol.1

今回は省エネや新エネルギーをはじめとした環境推進の情報を提供する専門ビジネス誌「環境ビジネス」編集部より、村上朋史編集長をお迎えして、これからの環境ビジネス、新エネルギーの未来などをお聞きします。
- 小島:
まずは「環境ビジネス」という雑誌についてご紹介お願いします。
「環境ビジネス」は1998年に創刊されました。
村上朋史(むらかみ・ともふみ)月刊環境ビジネス編集長
1999年千葉大学卒。地域活性、ローカルビジネス、ISO14001などに関する報道、書籍・雑誌・イベント制作に携わり、2012年4月より月刊環境ビジネス誌編集長。主な取材分野は省エネ、太陽光発電など再生可能エネルギー、LED照明、排出権取引、気候変動、ISO14001、ISO50001、生物多様性など。
【環境ビジネス】
企業や自治体、住宅まで幅広い分野で環境推進のための具体策を提供する専門ビジネス誌。1998年創刊。
国内外の動向に注目し、事例・ノウハウ・助成・技術・法令などの情報を提供。
ホームページ:http://www.kankyo-business.jp/
- 村上:
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私が今の仕事に関わったのが2007年からです。創刊当時は1997年の京都議定書の制定を受け、日本国内にもCO2削減目標へ向け議論が開始された時期で、前年にISO14001の発行もスタートしています。経済界にも大きな影響を与え、各企業でも環境マネジメントが強化されていきました。90年代前半までは、環境対応といえば公害対策や廃棄物がほとんどでしたから、CO2対策に企業が向き合い始めた時期とも言えます。温暖化対策目標の設定や、従来の省エネ法対応の枠にとどまらない、長い目で、環境を守り、育てるという視点を、社内の全事業に通すために、新しいセクションの設置が目立ち始めました。環境推進部やCSR部といった部署です。
とはいえ、「環境ビジネス」創刊当初はまだまだ生まれたばかりのマーケット。環境ビジネスとして成り立っている分野は廃棄物、土壌・水質・空気の浄化などで、リサイクルがこれからの注目市場というような状態でした。
- 小島:
今でこそ「環境ビジネス」といえば太陽光や風力などエネルギー問題を取り上げているイメージですが、当時は「環境」という言葉から連想されるものといえばリサイクルでしたよね。「環境ビジネス」は、既存のものから新しい世界を切り開いていこうというタイミングで誕生した雑誌だったのですね。
- 村上:
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出版界は1990年代半ばから出版不況と言われています。そんな時代だからこそ、これから育つ、新しいマーケットの実態がつかめる雑誌は、面白いですよね。
- 小島:
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出版活動を通して、社会に対してどのようなメッセージを伝えていきたいとお考えですか?
- 村上:
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雑誌での現場取材で、本当に役に立つ製品やサービスの効果を確かめ、ユーザーに届けること、そのことで、誌面を通じたマッチングができればと考えています。今でこそ環境対策のコンセプトが入った商品は身近で当たり前になっていますが、意外と、欲しいものって見つからないですよね。
ビジネスの世界で言えば、少し前、風力や磁力を使ってゴミの中からリサイクルできる金属を選別できる機械がありますが、リサイクルが進んでいるヨーロッパで開発が進み、日本のリサイクル産業では中々その機械の情報は得られない。そんな時に誌面で紹介することで、機械の輸入が実際に起こって、現場で大きな効率化が進み、リサイクルが広がる。そんなことが実際に月刊「環境ビジネス」を通じて起こってきました。
- 小島:
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環境という新しい分野では、せっかく良い製品を作ってもマーケットが発展途上であるためにユーザーとうまく接点を持てないという商品が多いのかもしれませんね。優れた製品があり、それを欲しいと思っている人がいるのに繋がらない。この商売の原点ともいうべきことが環境分野ではまだまだ浸透していませんよね。
現在の環境分野で活動している人間の多くに共通することが、大学生や高校生のころにCOP3(第3回気候変動枠組条約締約国会議)と、京都議定書や地球サミットを経験しているということです。彼らが企業の中堅となり、環境分野への認知度もこれでもかつてよりはだいぶ向上されてきていると思います。もうあと10年もほど経ち、彼らが企業のトップになる頃には、もっと変わっているのではないでしょうか。我々も頑張っていかないといけませんね!
さて、改めてお仕事内容など自己紹介をお願いいたします。
- 村上:
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一番の仕事は、月刊「環境ビジネス」という雑誌の編集現場を束ねることです。編集スタッフ、記者、カメラマン、デザイナー、他にも営業、販売などすべての担当者から得られた情報から、誌面構成を考えます。ユーザーのニーズがどこにあるのかを探し、いかに、知りたい情報を、知りたい形で届けられるか。具体的には、担当者で企画を持ち寄り、編集会議を行い、特集内容を決めていくのですが、話が盛り上がり、短時間で終わらせるはずの編集会議が長くなってしまうことも少なくはありません(笑)。現場では本当に色々なことが起こっています。他には、「環境ビジネス.jp」というウェブサイトのニュース配信のネタを決めたり、構成を決めたりという仕事もあります。それから、これから伸ばしていきたいと考えているのが、雑誌主催のセミナーやシンポジウム、書籍の発刊などですね。
編集長というお立場ですから、やはり「環境ビジネス」という雑誌そのものがお仕事なんですね。書籍の発刊ということですが、もし太陽光発電の本を出すとしたらどのようなものがいいでしょうか?
- 村上:
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太陽光発電を導入したいと考えているけれどパンフレットですら読んでも難しいといった声をよく聞きます。それだけに、小学生でも十分に理解できる、分かりやすく解説したものが求められているように感じます。逆に仕事として太陽光発電に接している場合には技術上の課題やコストなど、深く切り込んだ内容が欲しいのではないでしょうか。求められる情報は、読者によって両極端に分かれるという印象です。
- 小島:
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以前に比べたら太陽光はだいぶ認知されるようにはなりましたが、その分競争も激化していてます。特にWEBサイトは、参入しやすいということもあり、攻め方を考えないといくら力を注いでも結果が出ないという時代になってきています。何かおもしろいことを共同でやってみるのもいいかもしれませんね。
そもそも、このお仕事に就かれたきっかけは何だったのでしょうか?
- 村上:
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社会人になってからは編集畑をずっと歩いています。前職では、地域活性化にかかわる分野でした。私が社会に出た1999年は地方分権一括法が成立した年で、大きく地域が動いていく時期でした。地方にお金がもっと行きわたり、権限が拡大し、ユニークな町がたくさんできるのではないか、そんな期待感がありました。その動きを、メディアという立場からとらえたかったんですよね。そして、様々な取材をする中で、環境関連に徐々に強い関心を持つようになってきました。かかわっている方が皆前向きで、イノベーティブ。大学教授が先端で研究していることを、農家のおばちゃん達が実践してしまって、新しい仕事が生まれたりする。地球サミットや愛・地球博などを通じて、若い世代も多くの方が興味を持つようになり、多様な人間が関わるような状況になっていました。
環境の分野で活動している方々は、強烈なパーソナリティやモチベーションがあり、接していてとにかく面白い。これを多くの人に伝えたいと思い始めました。しかし環境分野が、マーケットとして成り立つのか、自分の仕事の場にできるのか、という問いには、しばらくの間答えが出ませんでした。徐々にプライベートで環境のフィールドについて調べるようになりました。一年くらいかけて動き、最終的にこの市場は大きくなれるマーケットであると確信して活動し、今の仕事に出会いました。
- 小島:
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いいと思うものは広めていきたい、そのためには商売にしないと広まらない、そういう思いがある中で、「環境ビジネス」という雑誌はまさにそれをコンセプトにしている雑誌だったのですね。
逆説的なんですが、環境対策が広がるには、環境に興味がない人間の感覚の中でニーズをつかむことが大切になってきます。環境の論理と違う論理で成立しないと、関心のある人の間でしか、サービスは広がりません。具体的に言うと、オーガニックな食べ物でも、すごくおいしいものでないと広がらないと、そういう意味です。環境というフィールドでなので、「やらねば」「もはや義務」となりがちですが、やはりヒトや社会の欲求の中に入って活性化させていくことがとても大事と言えると思います。
- 小島:
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地球サミットから20年目の今年、再びブラジルのリオでサミットが開催されます。そのリオ+20のテーマも「グリーンエコノミー」ということで、環境とビジネスを両立させて経済発展を環境で実現させようという動きは、世界でも広がりを見せていますね。
途上国ではCO2を排出させながらの経済発展が前提になっていますが、そうではなく、グリーンに繋がる可能性を持ちながら成長を遂げていこうではないかという話なのですが、実際は難しいですよね。途上国と先進国、企業と市民、同じ「グリーンエコノミー」という言葉でも受け取り方は全く違いますからね。例えば、水を買い占めて世界中に分配するのもグリーンエコノミーだという多国籍企業の言葉に戦々恐々とする市民、それを大きなビジネスチャンスととらえる企業、一つにまとまることこそが最も難しいことなのかもしれませんね。
- 村上:
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国連、京都議定書の枠組みの中でずっと会議してきましたが、途上国と先進国の溝はなかなか埋まりませんね。それだけに今年のリオ+20というのは、大きなチャンスであり、これからの持続可能な発展を、政治・経済すべてに一本の串を通してやっていくことができるかどうか、シビアに考え直すいい機会になるのではないでしょうか。
- 小島:
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そうですね。結局は、南北問題と言われていたころから根本的なことは何も変わっていませんよね。途上国と先進国の対立は根が深いものですから。
- 村上:
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本当ですね。世界的にいわゆるグリーンエコノミーへの注目度は高まっているだけに、環境に関するビジネスが少しでも溝を埋められればよいのですが。
経済同友会が以前集計したアンケートによると、これからの日本経済に必要なものは何かという問いに対して、実に2/3の経営者がこれからは「環境技術」が求められると答えています。太陽光発電のマーケットでも、ヨーロッパではドイツ、イタリアを中心に導入が進み、中国も急速な拡大傾向にあり、日本も実は世界で5本の指に入る大きな市場です。日本は特に、昨年の震災を受けて国民のエネルギーに対する考え方が大きく変わり、重要な政策も決まりますから、今年はエネルギー転換の重要なタイミングになりますね。
- 小島:
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震災から一年、リオの地球サミットから20年、節目の年になるのでしょうか。気候変動枠組み条約に始まり京都議定書、その枠組みでこれまで動いてきましたが、その枠をそろそろ次の段階に移していかなければならない時期に来ていると言えますよね。
最後になりますが、お仕事をされていて喜びを感じる瞬間はどんな時ですか?
- 村上:
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やはり一番は、誌面を通じで環境の技術や製品をユーザーと結びつけることができた時ですね。誌面を見たユーザーから問い合わせが入り納品につながった、誌面をきっかけにして認知度が上がりなんらかの受賞につながった、など実際に様々な声が届けられます。営業現場でも取材記事や広告を営業ツールとして利用していただく場合も多く、現場の結びつけをもっとできるような誌面づくりをしていきたいと思っています。ほかには、例えば電車の中で読んでいる方をお見かけした際、書店で立ち読みしていた方がレジに向かう瞬間など、実際の読者に出会えた時はいつでも本当に嬉しいです。これからも求められる誌面作りをしていくために、可能な限り現場のニーズを拾い、誌面を通じて、環境市場の拡大に少しでも力になれればと思います。
次回は、出版界から見た太陽光発電市場、今後注目される話題など、「環境ビジネス」編集長ならではの視点でお話しいただきます。お楽しみに!



「共存の森」森山様のお話、いかがでしたでしょうか。森を育て、自然に育てられている人間たち、その人間たちが関わり、会話をすることで、成長していく活動は、ライフスタイルの転換期に来ている今、注目すべき活動なのではないでしょうか。







次回は大鶴様の信念や活動内容を具体的にお聞きしたいと思います。







次回は、ステップチェンジ様の省エネへの啓蒙活動について、詳しく伺っていきます。次回もお楽しみに。

環境活動と言っても様々なものがありますが、初めて参加されるのであれば、まずはご自身の住む地域の活動を探してみるのがいいでしょう。






弊社では、社内の監査部門が施工の現場を抜き打ちで見に行ったり、お客様相談室を設置してお客様とコミュニケーションをとって情報を得たりしています。また、設置してから一年後に無料点検という制度を設けています。
施工の良し悪しは、業者の誠意に左右されると言えますね。なるべく安い部品を使い、人手を減らしたいのが工事する側です。利益のためにそれをやってしまう業者なのか、20年お客様が安心して使えるためには多少コストが高くても良い部材使おうという業者なのか、大きく二つに分かれるような気がします。
