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コジさんのエコな日々

コジさんのエココラム

2013年01月25日(金)

第9回:NPO法人「そらべあ基金」箕輪弥生さん編vol.2

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コジさんエコロジスト対談/NPO法人「そらべあ基金」箕輪弥生さん編vol.1

今回は、再生可能エネルギーの普及啓発や環境教育活動を展開するNPO法人「そらべあ基金」より箕輪弥生様をお招きしての対談、後篇です。

小島:

「そらべあ基金」では、箕輪様はどのようなお仕事をされていますか?

箕輪:

役職は「理事」をしておりまして、「そらべあ基金」の方向性を決めるディスカッションをしたり、このように「そらべあ基金」のことを紹介するようなお仕事や、「そらべあ発電所」の贈呈式に行って話をしたり、いろいろですね。私自身が環境ライターとして仕事をしているので、DVDなどコンテンツの制作にもかかわったりします。

小島:

環境ライターとしてもご活躍されているのですね。具体的な活動を教えていただけますか?

箕輪:

雑誌や新聞、webに記事を書いたり、書籍を出したりしています。新聞 では毎日新聞に「そらべあ」がキャラクターになった「水と緑の環境本部」という部署があるのですが、そこが発行している「マイeco」という環境新聞で連載をしていました。主に「暮らしと環境」ということをテーマにすることが多く、節電・省エネや、自然エネルギーのある暮らし、身近にできる発電など、一般の方にわかりやすく書く事を心がけています。

取材をして記事をまとめるという仕事が多く、ここ数年は風力やバイオマス、太陽熱や地熱、小規模水力など自然エネルギーを取り上げることが増えてきました。日本はまたまだ眠っている自然エネルギーがたくさんあります。

例えば温泉熱で発電できる「バイナリー発電」などは80?150度の蒸気や熱水を熱源としてアンモニアなど沸点の低い媒体を加熱・蒸発させてタービンを回し発電するのですが、小規模な蒸気・熱水での利用が可能なので、これまでの大掛かりな地熱発電と違って排熱や無駄な余熱を使って発電できるのでさまざまな場所で普及していく可能性を秘めていると思います。

また、水が豊かな日本では、小水力発電も期待できる分野だと思います。山梨県の都留市では小水力を町づくりの大きなシンボルにしていて、視察や観光の目玉になっています。小水力発電には、太陽光と違って一日中発電できるというメリットがあります。かつては、川の水利権があり導入に時間がかかったのですが、規制緩和により手続きなどが簡素化されたようです。小水力というのは、実はエネルギー利用率が50%以上と、太陽光と比べても格段に高い、効率のいい発電方法です。まだまだ眠っているエネルギーを、多くの方に知ってもらいもっと利用できるように、自分の原稿が何かの力になればいいと思いますね。

小島:

震災以降、太陽光発電は注目度が上がり、これからは我々のような企業や業者ががんばってさらに普及させていかなければならないと思いますが、太陽光だけではエネルギーのすべてをまかなえませんから、まだスポットのあたっていない太陽光発電以外の自然エネルギーの分野をもっと盛り上げて、日本のエネルギーを支えていけたらいいですよね。

箕輪:

先日、デンマークのロラン島という小さな島に取材に行ってきたのですが、ここはかつては造船業の島でしたが衰退し、自然エネルギーの島として生まれ変わった島なのです。風力はもちろん、ゴミや木材からも熱やエネルギーを作っていました。発電時に出る熱も無駄なく利用していて、勉強になることばかりでした。日本で捨てているものでエネルギーを生み出している。「日本はなんてもったいない国なんだろう」とつくづく考えされられましたね。例えば、この冬も節電と言われている北海道では、地熱もあればバイオマスだって使えるわけです。電気だけがエネルギーではないということにもっと目を向けて欲しいですね。

小島:

日本は熱エネルギーの利用は遅れていると言えますよね。確かに熱には回収が難しい、貯めるのに工夫が必要など課題もあるのですが、利用できる可能性は大きいですよね。
箕輪様はご自宅も太陽熱利用のエコハウスだと伺いましたが。

箕輪:

OMソーラーを組み込んだ、太陽熱を取り入れた住宅に住んでいます。かつては私も建売の住宅に住んでいました。工場で作ってネジで止めるだけ、速さと安さがもてはやされた時代の産物のような家で、例えば旅行などで数日空けて帰ってくるとなんだか目がチカチカするような化学物質が当たり前のように使われていて、半地下は湿気がすごくカビに悩まされていたこともありました。当時はマーケティングプランナーという仕事をしていて、大量生産大量消費を後押しするような広告を作り、消費を勧めることが自分の仕事でした。しかし私自身はそのような暮らしを望んでいたわけではなかったのです。確かにマーケティングプランナーという仕事は、やりがいもあり面白い仕事ではありました。でも仕事しながら、個人的にはこの商品を私は選ばないかもしれないという葛藤を常に抱えていたことも事実です。そんな反動だったのかもしれません。暮らしをきちんとしたいと思い、自然を取り入れた、日本の風土にあった家に住みたいと思い、当時補助金が出ていたこともあり、暖房と給湯を太陽の熱を利用して取り入れられるOMソーラーの設備を組み込んだ家を建てました。OMソーラーの暖房は、屋根についた集熱パネルで暖められた空気がダクトを通って床下に送られ、床の通気口から暖かい空気がユルユルと出てきます。外気を取り込んでいるので自然に換気にもなり、家の中でも心地よい空気が漂っているように感じます。給湯に関しては春夏から秋は十分太陽熱でまかなえるほどパワーがあるので、非常に合理的なシステムだと思います。日本人は、自然を取り入れて外とつながりながら暮らすのがとても得意な民族です。その点からもOMソーラーは日本人に暮らしに合うような気がしますね。

エコハウスというのも最近流行ってきていますが、実際取材してみると太陽光パネルは載っているけれど断熱がきちんとしてなかったり、壁紙にビニールクロスを使っているなど、矛盾を感じることもありますね。我が家は壁には珪藻土を塗っています。湿気を吸ってくれて乾燥してくると湿気を吐き出し快適な湿度を保ってくれます。加湿器も除湿機も電気を使いますから、その点でもメリットがありますよね。自然のものは、優れた力を発揮するものがとても多く、体にも環境にも負担がかかりません。少しでも多くの方が、環境に優しく快適な暮らしを選んでいただきたいなと思いますね。

コジさん
小島:
そういった矛盾や、本当に望ましい暮らしと環境についてもっと広めていくためにも箕輪様にはどんどんご活躍いただきたいですね。太陽熱利用の暮らしをされていますが、太陽光発電についてはどのようにお考えですか?
箕輪:

先日、「そらべあ基金」で「太陽光パネルの手作りワークショップ」を行った際に、私も自分で作ってみました。小さなパネルなのですが、今は自宅での充電関係はほとんどまかなっています。配線などがむき出しのいわゆる装置の状態なので、晴れている朝にベランダに出してお天気の悪い時にはしまうという、あまり便利な状態ではありませんが(笑)、携帯や主人のひげそりなど十分に充電できています。この一台が自宅に来てから、とても安心感があるので実は少し驚きました。何かあったとき、停電や非常時でも電気が使える、こんな小さなパネルが一枚あるだけでも気持ちに余裕が出来ましたね。

我が家は、屋根には太陽熱のシステムを載せていますし、一部緑化もしているのでもう太陽光発電のスペースがないんです。でも小さなものでも、最低限の電気が使えると思うと心強いですよね。実際に、太陽光発電を取り入れたいと思っていても、屋根に乗らない、集合住宅であるなど、諦めている方は多いですよね。

小島:

そうなんですよ。ベランダに引っ掛けられるという太陽光発電システムも存在するにはするんですが、まだ出力の割には価格も高く、なかなか広がりを見せませんよね。太陽光発電のよさは、自分で電気をつくることによって意識が変わるということなんです。自分の掌の中にエネルギーがあるという感覚が大事で、一方的に受け取るものではなく、自分で作り出して好きなように使うという、そういう感覚をもってもらうのには最適だと思います。ですから、出力は必ずしも大きくないかもしれませんが、どんな住宅でも気軽に取り入れられるような製品が開発されれば、日本のエネルギー、環境問題はもっと良い方向に進んでいくと思いますね。今は、固定価格買い取り制度によって大規模なシステムへは優遇されていますが、もっと小規模なシステムの開発や設置にも国や企業が力を入れて欲しいと思います。

箕輪さん
箕輪:
マンションなどでは屋上にパネルを設置して、共同スペースの電気をまかなうというタイプのものはありますが、やはり個々のお宅で電気を作らないとひとりひとりの意識を変えるのは難しいでしょうね。
小島:

太陽光がある暮らしには、電気の使い方が変わるという相乗効果があると、多くのお客様から伺います。1キロワット設置の方と4キロワット設置の方と、発電量は違っても節電量はほぼ同じなんです。ですから、小さなシステムだからといって諦めずに、どんどん設置に前向きになっていただきたいと思います。節電はすぐに効果が出ますし、だれでもできることばかりです。太陽光でなくても小水力でもなんでもいいのです。エネルギーを作り出してコントロールする。それが意識を変える方法だと思います。

最後に、太陽光発電や省エネに興味のある、省エネドットコムのお客様へ これからの省エネ・環境対策に対するアドバイスをお願いします。

箕輪:

日本には昔からの暮らし方として、通風をよくして外気と繋がりを持つというのがあります。例えば京都の町家などがとてもいい例だと思いますが、風を上手に通し採光にも優れ、中庭に水を撒けば気化熱で気温が下がるなど、所々に自然の力を利用して暮らしていました。自然の力を利用して環境に負荷をかけずに快適に暮らす「パッシブハウス」がこれからは求められていくのではないでしょうか。ですから、太陽光発電を設置したからといって、冷暖房を使いたいだけ使うというのではなく、自然の熱や風を取り入れながら最小限のエネルギーを太陽光発電などで補うという暮らしが望ましいのではないかと思います。

それから、家庭の冷暖房の削減には住まいの断熱がかなり有効だと思います。私も住宅エコポイントがあった時に家の窓を二重サッシに変えました。やはり暖房や冷房の利きが違いますね。熱は窓から入ってくるし、逃げても行きます。エネルギーにだけ頼るのではなく、どうしたらエネルギーを使わずに済むかを、探すことが大切なのだと思います。それから、家庭でも企業でも、電気に頼りすぎずに自然がもたらすエネルギーを上手に取り入れて、快適に過ごすということを考えて欲しいですね。

小島:

ありがとうございました。前編では「そらべあ基金」の活動やポリシーを。後編では箕輪様自身の活動やお考えをお聞かせいただきました。どちらも、環境やくらしが、こどもたちの未来につながるのだという一本の信念に貫かれていることに感動しました。本日は本当にどうもありがとうございました。

箕輪さん&コジさん
投稿時刻 11:41 | 個別ページコメント(0)トラックバック(0)
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