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コジさんのエコな日々

2012年12月26日(水)

第9回:NPO法人「そらべあ基金」箕輪弥生さん編vol.1

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コジさんエコロジスト対談/NPO法人「そらべあ基金」箕輪弥生さん編vol.1

今回は、再生可能エネルギーの普及啓発や環境教育活動を展開するNPO法人「そらべあ基金」より箕輪弥生様をお招きしての対談です。「そらべあ基金」の理事として、環境ライターとして、そしてひとりの人間として、自然エネルギーや環境、未来についてお話いただきました。

小島:

まずは「そらべあ基金」について教えていただきたいのですが、「そらべあ基金」とはどのような団体なのでしょうか?

NPO法人「そらべあ基金」箕輪弥生さん
箕輪:
「そらべあ基金」は「そら」と「べあ」というホッキョクグマの兄弟が、地球温暖化によってどんどん住みにくくなり、親子がはぐれてしまうという1つのストーリーをテーマにして子どもたちに環境のことや、温暖化のことを考えるきっかけを与えていこうと始まった、環境団体です。
【箕輪さんプロフィール】
箕輪弥生(みのわ やよい)
環境ライター・マーケティングプランナー

立教大学卒業後、広告代理店勤務などを経て、1989年よりマーケティングプランナーとして独立。以来、メーカー、流通系のプランニングを中心に、広告・販促・商品企画・イベント企画・情報誌執筆など幅広く参画。
現在は、「暮らしと環境」をテーマに、記事やコラム,書籍の執筆、商品開発、環境学習プログラム企画など、環境関連のコミュニケーションやマーケティング戦略に幅広くかかわっている。
自身も自然エネルギーや雨水を利用したエコハウスに住む。

著書に「節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)など。

【そらべあ基金】
再生可能エネルギーの普及を推進するNPO法人「そらべあ基金」のサイト。
ホームページ:http://www.solarbear.jp/
箕輪:

「そらべあ基金」には2つの大きな柱があります。1つが太陽光発電などの再生可能な自然エネルギーの普及啓発、もう1つが環境教育です。特徴は、子どもを対象とした活動が中心であるということです。具体的には、全国の幼稚園や保育園に太陽光発電を設置する活動、そして「そらべあ」の絵本やDVDを使っての環境教育を推進する活動などが挙げられます。

小島:

では、まずは「そらべあ基金」がどのようにして始まったのか教えてください。

箕輪:

そもそも、温暖化防止に力を入れ始めた東京都が、NPOと協働して何か環境プロジェクトを一緒にやろうとしたのが始まりです。お台場の潮風公園に「ひだまり?な」という太陽光発電の施設を、東京都が場所を提供し「エコロジーオンライン」というNPO法人が企業の協賛を集めて作りました。

その後、施設だけ作って終わりではなく、もっと普及させていこうと、キャラクターを作ることになりました。それが「そら」と「べあ」です。このキャラクターは「かとうしんじ(Shinzi Katoh)」さんという著名なイラストレーターにご協力頂き、他にも多くの方にボランティアで参加いただいて、ストーリーを練り上げ、絵本を作り、サイトやコンテンツを作りました。子どもたちに愛されるキャラクターを使って、地球温暖化のことを知らせていこうとできあがったのが、「そらべあ」の物語です。

「そらべあ」のストーリー
地球温暖化によって氷の大地がさけ、お母さんと離れ離れになってしまったホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」。泣き止まない弟「そら」を前に、絶対にお母さんを見つけ出そうと決意する兄「べあ」。でも、「べあ」は気づいてしまうのです。氷の大地が溶けていくのを自分たちではどうすることもできないことを・・・。

今でこそ環境をテーマにした寓話は数多く存在しますが、2006年当時はまだほとんどありませんでした。シンプルな内容ではありますが、最後に「このままでいいの?」という問いかけで終わらせていることにより、受け取り手によってストーリーがどんどん膨らむという効果があるようです。幼稚園や保育園で紙芝居をしてくれたり、大学生が演劇のシナリオに使ってくれたりと広がりを見せています。
「そらべあ」のキャラクターは大きな反響があり、企業等から継続的な支援を受けることができそうでしたので、2008年に正式にそらべあ基金としてNPO法人となりました。

小島:

子どもを対象とした環境教育というのは、とても大切ですよね。子どもたちは素直に受け入れ、考え、大人にもしっかりと伝えていこうとする。大人の意識を変えてしまうことだってあるかもしれませんよね。
かわいいキャラクターですが、子どもたちの「そらべあ」のキャラクターへの反応はどうですか?

箕輪:

幼稚園や保育園に太陽光発電を設置した際に「そらべあ発電所贈呈式典」を行っており、その際に「そら」と「べあ」の着ぐるみが登場するのですが、子どもたちには大人気ですね。ふわふわで気持ちのいいオーガニックコットンを使った着ぐるみなので、子供たちもスリスリしたり、抱きついたり、大騒ぎになります(笑)。

「そらべあ」には「この涙を止められるのは あなたです」というキャッチコピーがありまして、涙がついたキャラクターなんです。子どもたちは「どうして泣いているの?」と必ず問いかけてくれます。「氷がとけて、お母さんとはなればなれになったんだよ」と、「そらべあ」のストーリーを語りかけるきっかけになっています。こどもたちの「どうして?」「なんで?」に答えていると、「どうしたら泣き止むの?」「どうすれば氷がもどるの?」という問が生まれてきます。

子どもたちにできることはシンプルなことしかないのですが、「無駄な電気を消しましょう」とか、「ものを大切にしましょう」とか、自分の行動が「そらべあ」を助けることにつながると教えると、素直に受け入れてくれますね。実際にホッキョクグマが厳しい状況にあることは多くの方がご存知だと思います。夏のあいだは氷がとても薄くなり、毎日約150kmを3?4日泳ぎ続けないと氷の大地に届かない。母親グマはどんどん痩せて子供の数が激減しているのです。「そら」と「べあ」のお話は、遠く離れたところで起こっている本当のことなんだよと教えると、子どもたちはとても驚きますね。

小島:

子供たちの反応をダイレクトに感じられる「式典」はとてもいい取り組みだと思います。当社も、子供たちへのアプローチはとても重要視しています。「うちエコ診断」という家庭のCO2排出を診断し、上手に減らすための対策を提案する取り組みが環境省の事業として行われていますが、これは今までの一方的なエコ対策の情報とは違って、それぞれの家庭のライフスタイルに応じてエコを提案するというものです。

例えば、車を多く使い、在宅時間の少ない人に照明器具の取替を勧めても仕方ありませんよね。そのアンケートが、エアコンを何時間つけているか、テレビは、照明は、と答えていくものなのですが、この子どもバージョンを当社も参加して開発しました(うちエコキッズ)。ゲーム形式になっていて、氷の上にペンギンたちが乗っている画面が現れます。そして遠くに子どもたちの暮らす家があります。その家で、家電の種類を選び、使う時間を選ぶと・・・。どんどん電気を使っていくと氷が溶けてペンギンたちは海に落ちてしまいます。電気を使うのをやめるとまた氷がもどっていくという内容になっています。

単純なことなのですが、子どもたちが暮らす環境が北極の氷と実はつながっているのだというイメージを持ってもらうにはわかりやすい内容ではないかと思っています。環境教育と一言で言っても、幼稚園児や保育園児と小学生では内容に大きな差があると思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

箕輪:

小学生向けには、DVDを作っています。主な内容としては、第一章が「そらべあ」の絵本のストーリーをもっと膨らませ、小学生でも見ごたえのある3DのCGアニメーション。第二章で地球温暖化の影響を紹介し、第三章では地球温暖化を防ぐ再生可能エネルギー、太陽光や太陽熱・風力・バイオマスなどの自然エネルギーの事例を紹介、第四章で身近にできるエコアクションを年齢別に紹介しています。全国の小学校に配布しており、環境の授業の教材として役立てていただきたいと思っています。
小学校では総合学習などでかなり環境のことを学んでいます。かなり詳しい話も、クイズ形式など楽しめるものにして子どもたちにより深く掘り下げて考えてもらうきっかけになればと考えています。

コジさん
小島:
「そらべあ基金」では東日本大震災の被災地支援活動も行っているようですが、どのような活動をされているのですか?
箕輪:

20Wのパネルを250枚搭載した5kWの発電が可能なソーラーパワートラックがあるのですが、そらべあ基金では多くの企業や団体、個人の方々からのサポートもあり、昨年度は6回ほどそのソーラーパワートラックを使って被災地に支援に行きました。電気がまだ通っていない頃に被災地に物資を積んで第一弾は3月24日に到着しました。もっと早く行きたかったのですが、高速道路に規制がかかっていて許可が出るまでに3?4日もかかりました。

ソーラーパワートラックは、晴れていればかなり発電するので、避難所の方々の情報家電や小型家電の充電はもちろん、テレビの放映などで情報を伝えることができました。避難所で親の帰りを待つ子供たちに、少しでも笑顔になって欲しいとゲームやアニメなどを放映し、電気が通ってからは、パフォーマーを連れて元気になるようなパフォーマンス、子供たちのサッカー教室、体の温まる食事の炊き出しなどを行いました。子どもたちのために何ができるか、考え続けた一年でしたね。

小島:

ありがとうございました。「そらべあ基金」は、子供たちの未来を最も大切に考えているということが、伝わってきました。一般の方が参加できる方法がありましたら教えてください。

箕輪さん
箕輪:
サポーターシステム制度というものがありまして、「サポータークラブ」に入会するとバッチがもらえて、いろいろなお手紙が届きます。
箕輪:

個人の方、企業からのサポートも受け付けており、会費が再生可能エネルギーの普及活動や環境教育のために使われます。また、「そらべあ」のキャラクター商品を、作者である「かとうしんじ(Shinzi Katoh)」さんの会社が販売していまして、それを購入頂くと収益の一部が「そらべあ基金」に入る仕組みになっています。どなたでも、簡単に地球温暖化防止に貢献できると思います。

小島:

環境活動に一歩踏み出すのは、敷居が高いと感じる方も多いかもしれませんが、どんな活動への参加も実は案外簡単なことだったりするものですよね。ぜひ多くの方にご参加いただきたいですね。

箕輪さん&コジさん 次回は、箕輪様ご自身の活動などを詳しくお聞きする予定です。お楽しみに!
投稿時刻 11:11 | 個別ページコメント(0)トラックバック(0)