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コジさんのエコな日々

コジさんのエココラム

2011年02月25日(金)

エコロジスト対談/第3回:「横浜みどりアップ計画市民推進会議」 伊藤博隆さん編voL1

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コジさんエコロジスト対談/第3回:「横浜みどりアップ計画市民推進会議」伊藤博隆さん編

エコロジスト対談第3弾は、伊藤博隆(いとうひろたか)さんです。地元横浜での「横浜みどりアップ計画市民推進会議」へ参加し、取り組みの評価や提案に携わるほか、里山保全の活動を行う環境のエキスパートです。
今回は、伊藤さんのこれまでの環境活動についてと、現在力を入れている緑の保全活動についてお話を伺います。

「横浜みどりアップ計画市民推進会議」伊藤博隆さん
伊藤:
地域の活動の場合、反響をリアルに感じることができます。
その分大変さもありますがやりがいも大きいですね。
【伊藤博隆さんプロフィール】
横浜みどりアップ計画市民推進会議 ふるさと横浜で、里山保全などに関わり、2009年より「横浜みどりアップ計画市民推進会議」に公募市民として参加。
仕事では、東京・青山にある「地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)」に勤務し、NPO・企業・行政などのつなぎ役として活動。「人とみどりの共存」をメインテーマに活動する環境スペシャリスト。
コジ
伊藤さんが環境活動に興味をもたれたきっかけは何ですか?
伊藤

私は横浜で生まれ育ったのですが、幼いころは家の近所の野山をかけ登ったり虫採りをしたりと、自然の中で走り回って育ちました。
それがある日、宅地開発が始まり、田畑や森が駐車場になり、宅地になり、木がどんどん切り倒されていきました。 近所の森が失われていく様子をまざまざと見せつけられ、子供ながらに「何とかしたい!」と強く思ったのが原点だと思います。
ですから、私の場合環境活動と一口に言っても、そうした身近な自然に関することに一番関心があります。

仕事は、環境省と国連大学が設置する地球環境パートナーシッププラザに民間スタッフとして勤務し、様々な環境活動において、企業や団体などが連携協力するお手伝いをしています。環境分野の情報提供、セミナー開催などが主な仕事です。

コジ
幼いころの里山での思い出が、現在の環境保全の活動に結び付いているのですね。
横浜と聞くと都会的なイメージですが、都心部から少し離れると今でも自然が残っているところがあります。それでも、昔と比べるとずいぶん少なくなったのでしょうね。
伊藤

土地が緑に覆われている割合を示したものを"緑被率"といいますが、横浜では、昭和45年頃は緑被率50%程度でした。それが、去年(平成22年)では30%を切ってしまいました。

ゴミ拾いの様子
カーリットの森(撮影:伊藤さん)

市の中心から離れたところには随分自然が残っていたのですが、人口増加に伴い、宅地開発が進んだ結果です。
横浜というと港町のイメージかもしれませんが、市のほとんどは住宅地でバブル崩壊以降も開発が続いているのが現状です。

とは言っても、多くの人が森を切り開いた宅地に住みながら、同時に緑を大切にしたいとも思っている、そんな矛盾を抱えている住人が多く、私もその一人です。
だからこそ、せめて今の緑被率30%という数字はなんとしても守りたいと思っています。

横浜は、都会でありながら緑豊かな町で、それが大きな魅力になっています。そんな横浜を愛すればこそ、緑が失われていくのは残念ですからね。

コジ
伊藤さんはこれまで様々な環境活動に参加されてきたと思いますが、その中で印象的だったことはどんなことですか?
伊藤

自分にとって身近な活動に、ゲンジボタルの保全活動があります。
ゲンジボタルというのは、本当に水がきれいな所にしか住めません。そこは私の家からほんの少し離れた場所で、横浜駅から直線距離にして5キロくらいの場所なのですが、野生のゲンジボタルが生息しています。放流している場所はよくありますが、野生のゲンジボタルがいるという場所は、とても貴重なんです。

里山を守る活動に参加する皆さん
毎年6月には、野生のゲンジボタルも舞う
(撮影:伊藤さん)

しかし保全活動と言っても、横浜の場合ほとんどの土地が民有地(私有地)であるため、保全を訴える側が「木を切らないでほしい」とか、「自然を残してほしい」とか主張してもなかなか難しいのが現状です。地主の方が土地を売却してしまうこともあり、そのたびに買い上げて保護するということは、現実的には不可能です。環境保全活動の難しさは、やりたいこととやれることのギャップが大きいことにあると言えます。

幸いなことに、このゲンジボタルの生息地にの周辺に関しては、一部が公園になることが決まり、自然もある程度は保護されることになりました。しかし、都市部の開発の圧力が強い場所での自然保全活動は難しいと言えます。
森や屋敷林と呼ばれるものは個人の持ちものであっても、公的な側面も持ち合わせていますから、積極的に活動し緑の保全に尽力したいと思っています。

コジ

人口が多ければそれだけ様々な価値観がありますから、活動も易しいものではないことでしょう。

ところで、伊藤さんは各地で取材もされているようですが、印象に残っていることはありますか?

伊藤

これまで仕事などでも様々な活動の方と交流がありますが、私の場合は、やはり地域の環境活動に共感することが多いです。対象がグローバル規模だと、自分の行動が結果に結びついた実感を得にくいものですが、地域の活動の場合、反響をリアルに感じることができます。その分大変さもありますが、やりがいも大きいと思います。

伊藤さん&コジさん

5年ほど前に、山口県周南市八代地区で「ナベヅル」の保全を行う方々を取材したことは、今でも心に残っています。「ナベヅル」は、越冬のため飛来しますが、日本では山口県周南市と鹿児島県出水市にのみ定期的に渡ってきます。

そもそもツルは、江戸時代は幕府により保護されていましたが、明治以降に乱獲された時期がありました。そのせいでずいぶんと数が減ってしまい、今では「ナベヅル」は国の特別天然記念物になっています。

この八代地区では、“ツルと共生する町”というスローガンのもと、ツルが飛来するための自然保護に力をいれています。
冬の間、ツルの餌となるドジョウなどが生息できるように田んぼに水を張ったり、ツルは警戒心が強いのでレンジャーの方が人が近づかないようにしたりしています。

地元の方々の活動のかいあって、本州では唯一の飛来地になっていましたが、それでも年々飛来数が減っています。実はツルなどの渡り鳥は、こちら側の環境を整えるだけではだめで、シベリアなどの飛んでいく先の環境も重要になってきます。

ツルの問題だけ見ても、環境問題を国際的な視野で見ることの大切さを思い知らされます。

コジさん
コジ:
幼いころの里山での思い出が、現在の環境保全の活動に結び付いているのですね。
コジ

ツルなどの渡り鳥では、ひとつの地域だけでは保護しきれない部分がありますからね。自然保護活動が地域住民によって行われているところは、実は日本全国にあるのですね。各地の環境活動経験が、地元での活動に役立つことも多いのではないでしょうか。

では、伊藤さんが今現在されている環境活動についてお聞かせください。

伊藤

現在は「横浜みどりアップ計画市民推進会議」に公募市民という形で参加しています。
横浜みどりアップ計画は、「樹林地を守る」「農地を守る」「緑をつくる」の3つの分野からなり、緑豊かな横浜を守っていこうという取り組みです。

横浜では平成21年から「みどり税」を実施し個人市民税に年間900円を上乗せ(法人市民税の場合は資本金や従業員数で金額が異なります。)する形で特別な税金を集めて緑の保全に取り組んでいます。
この税収をもとに、樹林地や農地の所有者による緑地の保有を支援したり、相続等やむを得ない場合は買取をしたり、市街地の緑地化を進めています。

コジ
横浜みどりアップ計画では、どのようなPR活動をしていますか?
伊藤
伊藤さん&コジさん

具体的には、広報誌でPRしたり、関連イベントの際はロゴを掲出したり、中には市民税通知の封筒にもPRというのもあります。税金という形で市民からお金を徴収しているので、説明責任を果たさなければなりません。
活動内容や今後の活動指針など、オープンに分かりやすく説明するように心がけています。

「みどり税」は5年間の限定期間実施される税金です。市民は、成果を期待していますから目に見える形にし、分かりやすく成果を伝えていくことが重要だと考えます。

コジ
伊藤さんが今後行っていきたい活動はどんなことですか?
伊藤

1つは、里山を守る活動です。里山と聞くと限界集落などを思い浮かべ、敷居が高いように感じてしまう方もいますが、横浜の場合は、実は宅地からそう遠くない場所に森や農地があります。

自転車でも移動可能な距離であっても、そういう場所に行ったことすらない人たちがほとんどです。 もっと気軽に自然に触れ、土に親しむような活動を提案し、仕組みを作っていきたいですね。

里山を守る活動に参加する皆さん
里山を守る活動の作業の合間に一休み
(撮影:伊藤さん)

もう1つは、農地を守る活動です。日本中の農家が抱える問題に高齢化と後継者不足があります。 悩みを抱える農家に、市民参加で補うことはできないかと提案しています。

横浜には370万人も人口がいます。ボランティアの活動も活発ではありますが、もっと多くの様々な人たちの参加を促していけば、まだまだ参加人口が増える可能性を秘めていると期待しています。

コジ
私も渋谷で花を植える活動(シブハナ)をやっていますが、わざわざ渋谷まで来て花を植えていってくれる人もいるわけですから、人口が370万人もいる横浜なら、参加のニーズも期待できますね。
伊藤
横浜の場合は、住んでいる場所と活動場所が近いという利点もあり、渋谷よりもさらに参加しやすいのではないかと思います。
多くの市民に活動を広めていくことが、私の使命ですね。
伊藤博隆さん&コジさん

次回は「横浜みどりアップ計画市民推進会議」の活動内容を具体的にお聞きしたいと思います。

<次回予告>
第3回:伊藤博隆さん編voL2
横浜みどりアップ計画市民推進会議の活動について」

次回をこうご期待!

投稿時刻 9:39 | 個別ページコメント(0)トラックバック(0)
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