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コジさんのエコな日々

コジさんのエココラム

2010年12月28日(火)

エコロジスト対談/第2回:「荒川クリーンエイド」事務局長 糸岡栄博さん編voL1

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コジさんエコロジスト対談/第2回:「荒川クリーンエイド」事務局長 糸岡栄博さん編

エコロジスト対談の第2回目は、荒川のゴミ拾い・ゴミ調査を中心とした様々な活動を行い、川の自然や川から見えてくる環境問題を考えて市民の環境保全への意識の向上を目指す「荒川クリーンエイド」事務局長・糸岡栄博さんをお招きしてお話を伺います。

「荒川クリーンエイド」事務局長 糸岡栄博さん
糸岡:
単なる清掃活動にとどまらず、どんなゴミが落ちているか、調査しながら拾うことで、ゴミの重みを一つ一つ感じてもらいます。
また、「ゴミを取り除き、自然を取り戻すことを体感してもらう環境啓発活動である」ということが我々の活動の特色です。
【糸岡栄博さんプロフィール】
NPO法人「荒川クリーンエイド・フォーラム」理事・事務局長
株式会社損保ジャパン・リスクマネジメントを経て現職。大学院時代には、環境教育を学ぶ傍ら、(財)日本自然保護協会、NPO法人川に学ぶ体験活動協議会、NPO法人日本水フォーラムのインターンシップを経験。企業・市民・学校・行政等のセクター間パートナーシップの質の向上を模索している。
荒川クリーンエイド・フォーラム 荒川クリーンエイド・フォーラム」のご紹介
市民団体を始め沿川自治体や小中学校・高校、多くの企業が社会貢献活動として参加。それぞれの団体が実施会場を持ち、参加者を募ってクリーンエイド(ゴミ拾いとゴミ調査)を実施しています。
コジ
荒川クリーンエイドはどのような活動をしているのですか?
糸岡

「荒川でちょっといいこと ゴミ拾い」というキャッチフレーズのもと、いろいろな方が気軽に参加できるボランティア活動を実施しています。環境保護活動というと敷居が高いようなイメージがありますが、誰でも気軽に参加できるような活動を目指しています。

荒川の流域では一千万人余りの人口を抱えています。その多くの人口が排出する数えきれないたくさんのゴミに川は悲鳴をあげています。そのゴミが生態系へ及ぼす影響は測り知れません。年間100会場、一万人が参加してゴミ拾いとゴミ調査の活動を続けていますが、それでもなかなかゴミは減りません。

ゴミ拾いの様子
ゴミ拾いの様子

我々のゴミ拾い活動の特徴は、「数えるゴミ拾い」といってゴミを48種類(散乱ゴミ)に分類しながら拾い、そのゴミの種類と数を確認しながら参加者に「気づき」をもたらすことを目的としていることです。単なる清掃活動にとどまらず、ゴミの重みを一つ一つ感じてもらい、自然を取り戻すための活動であることを確認してもらう環境啓発活動であることが、我々の活動の特色です。そして、分類したゴミとその数を集計し、データ化して社会に発信していくことで、多くの人がゴミ問題を考える材料になればと考えています。

コジ
荒川クリーンエイドが目指すことを教えてください。
糸岡

クリーンエイドという言葉は、Clean(きれいにする)とAid(助ける)が合わさった造語です。様々な人の手を借りて、ゴミを拾って自然を回復させようと活動しているんです。

活動の大きな目的は3つあります。1つ目は、荒川のクリーンアップ、清掃活動を通じて川と親しみ、参加者の環境保全の意識を向上していこうという意識啓発です。

環境学習支援
環境学習支援

2つ目は、「行政」「自治体」「企業」や、学校などの「子どもの団体」などとパートナーシップを実現しながら環境問題を考えること。市民が自発的に参画してくれることも重要です。

3つ目は、荒川沿川住民による河川環境保全の活動を進め、ゴミ拾いを切り口に積極的な市民参画を推進し、河川管理への市民権を確立していくことです。

河川は、国が管理しているものなのですが、もっと市民が主体的に管理に参加して、「自分たちの手で自然を取り戻すのだ」という意識をもつということが重要だと考えています

コジ
荒川クリーンエイドの活動には6つの柱があるようですが、それについて教えていただけますか?
糸岡

1つ目に挙げられるのが「クリーンエイド活動」で、これは我々の活動の中心に置かれ、荒川のゴミ拾いとゴミ調査、そしてその調査結果を社会に発信するというものです。

他の5つはクリーンエイド活動の周辺活動になっていますが、どれも切り離せないものでそれぞれが重要な位置づけになっていますのでそれぞれを紹介しますね。

2つ目の「水質調査」は、試薬を使って汚れ具合を調べるテストで市民の手によって調査され、公表されます。精緻な数値を示すものではありませんが、実際に水がきれいなのか汚れているのかがわかります。市民の活動によって川の健全性が明らかになるということも一つの成果だと思っています。

3つ目の「流域連携」というものは、荒川流域に居住する方々の交流を図る試みです。例えば、荒川源流から中流域、下流の干潟などで自然観察をするエコツアーを実施しています。同じ荒川流域でも上・中流域と下流域ではなかなか交流する機会もありませんので、こういったイベントを通じて共に連携し河川流域の環境を考え、力を合わせて問題解決しようと進めています。

4つ目は「環境学習支援」です。小中学校の総合学習への支援や指導者育成講座の開催など荒川での水辺遊びと学びに協力しています。こちらは学習支援チームを結成して活動しています。

5つ目は「社会貢献や市民参画への支援」。こちらは市民向けの他に、企業向けに研修やアウトドア活動のプランとしてパッケージツアーを企画して提案しています。ワークショップなども企画していて、新入社員研修の一環に環境研修として取り入れる企業が最近増えています。

ただ座学を行って終わりという感じの従来の環境研修ではなく、ゴミ拾いを通じてその結果を社会に発信するアクションプランを立案するといったような事後研修も含めて提案しているので、社員のひとりひとりに環境意識の改革を訴えかける重要なツールになっているのではないでしょうか。

6つ目の「情報提供」では、毎年の活動報告だけでなく年に数回発行されるニュースレターには参加者の声などメッセージを掲載して、一方通行の情報発信ではなく顔の見える関係というのを目指して広報しています。どういう人が参加してどういう成果があったのか具体的に情報を公開していきたいと考えています。

糸岡さん&コジさん

そして、今後力を入れていきたい活動に「自然地の管理」というものがあります。これを7番目の活動に挙げたいと思います。「自然地」というのは「守るべき自然地」と「利用すべき自然地」に分けられます。「守るべき自然地」は自然環境の保全を目的とし、人の立ち入りを制限するもので、具体的な活動としては絶滅危惧種を保全する取り組みなども含まれます。

一方「利用すべき自然地」は里山のように人が立ち入ることを前提とし環境学習や自然環境教室に活用しながら、除草やゴミ拾いなどを行っていくものです。この荒川の自然地がどういう特性があるのかということや、草花や外来種、絶滅危惧種などを定期的に専門家や特殊なメンバーで構成して調査を実施していこうと考えています。管理、守るという活動に協力してくれる企業の参加も視野に入れています。今後は、環境学習とクリーンエイド活動と自然地の管理を関連させて、包括的に活動を進めていこうと考えています。

コジ
糸岡さんが荒川クリーンエイドに参加したきっかけを教えてください。
糸岡

学生時代に水質の研究をしていました。上京した際その延長で、水質調査で有名な某大学の教授を訪ね、彼から荒川クリーンエイド・フォーラムを紹介されたのがそもそもの出会いです。実際にクリーンエイドの現場に連れて行かれ、ゴミ拾いにも参加しました。

それまで水質研究という主に数字やデータによって示されるものと向かい合っていた自分には、とても衝撃的な体験でした。ゴミ拾いという活動がなぜか楽しく感じて、研究室にいるだけでは決して感じることのないであろう、すがすがしさや感銘を受けました。それ以来しだいに活動にかかわるようになっていったという経緯があります。

小冊子・リーフレット
小冊子・リーフレット

荒川クリーンエイドの歴史としては、1994年がスタートです。1990年代初頭と言えば三重県の長良川河口に堰が作られ、利水や治水のための建設とそれに伴う生態系への悪影響などから反対運動が起き、社会問題になった頃です。開発と環境、公共事業や河川管理の在り方の問題を提起するきっかけになった出来事でした。

それまでは治水は国の管理下にありましたが、そこに「環境」という問題を入れて市民と協働で進めていく、橋渡し役になりたいと思い始めたのが最初です。そのプロジェクトに荒川は実験的に選ばれたと思料します。荒川の河川敷のグランドを利用している企業や自治体などの団体に声をかけて、イベントとしてゴミ拾いを始めたんです。

その当時はまだ旧建設省「荒川下流工事事務所」が主導で行っていましたが、1995年からは市民団体に事務局を移行しました。市民が中心になることで中立公平な立場で多様な人を呼び込むことに成功し、今では参加者は年間一万人を超えるまでになりました。

コジさん
コジ:
捨てる行為だけでなく、ゴミの消費から生産までさかのぼって見直す努力をしないとだめなんですよね。
コジ
荒川クリーンエイドの今後のビジョンについて簡単に教えてください。
糸岡

わたくし個人としてはまずは団体の予算面で、もっと自立していくべきだと考えています。現在は国(国交省)からの予算にどうしても頼らざるを得ませんが、もっと企業や団体をまきこんで、さらに有志からの寄付などを募り、市民団体として金銭面でも自立していく必要があると考えています。そのために先ほどお話した「自然地の管理」という分野に力を入れていこうと考えているんです。企業や団体にも協賛してもらうようにと日々奔走しているんですよ。

それと同時にさらに力を入れていきたいのが、拾ったゴミのデータの分析とその情報発信です。例えば1994年と2009年を比べて、たばこの吸い殻が1/3程度に減っているのに対してペットボトルは5倍以上増えています。煙草のポイ捨てはここ数年でずいぶんと意識が啓発されたこともありますし、喫煙場所の減少など理由はさまざまでしょう。ペットボトルの増加には、ライフスタイルの変化、そもそも作られるペットボトルが増えたということがあります。大量生産、大量消費、大量廃棄の社会を反映して、データは示されているんです。

荒川のゴミは、河川流域で捨てられたゴミだけではありません。街中の側溝や用水路に捨てられた煙草の吸殻やペットボトル、レジ袋など様々なゴミが流されて河に辿り着くのです。それがどんどん溜まっていき、2か月もすればあっというまに川はゴミでいっぱいになります。その現状を多くの人にもっと知ってもらいたいですね。

コジ

捨てるという行為だけでなく、ゴミになるものをなるべく買わないようにするとか、そもそも作らないようにするとか、消費から生産までさかのぼって見直す努力をしないとだめなんですよね。

環境教育や啓発活動、情報発信などがいかに大きな役割を担っていくかということですね。

 

皆さんも荒川クリーンエイドに参加してみませんか?

荒川クリーンエイド

ゴミを拾うという活動が、あなたの心に何かを届けてくれるかもしれません。一人でも、一回だけでもOKです。参加ご希望の方はこちらをご覧ください。
詳しくはこちらへ

「荒川クリーンエイド」事務局長 糸岡栄博さん&コジさん

次回は荒川クリーンエイドのより具体的な活動内容についてお聞きしたいと思います。

<次回予告>
第2回:糸岡栄博さん編voL2
「荒川クリーンエイドの活動について」

次回をこうご期待!

投稿時刻 9:05 | 個別ページコメント(0)トラックバック(0)
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